『気狂いピエロ』(1965年) 感想

気狂いピエロを見ました。1965年フランス等の映画。

若くてかわいいフランス娘と濃い目のプレイボーイが、勝手なことを言いながらでたらめな旅をする。ボニー&クラウドな感じかと思ったが、そこまで悪行三昧という感じではない。なんか折々に色々話してるけど、でもそれが分かるような分からないような話で、そのぶん逆に流して聞いててもいいかな、という感じで気楽ではある。雰囲気で感じればいいかなって感じで流し鑑賞。だから内容きちんと分かってないかも(笑)。

印象的だったのが、男が意外とえばらないことでした。女の子はいかにもって感じの気まぐれなわがままを発動したりするけど、男が怒らないんだ。こういう生活してたら当然いいことばかりじゃないし危機もある。感情の行き違いも起きる。そういうとき女性がぶちぶち言ったら、日本の映画や小説だと割とすぐ叩くっていうパターンを見かける。そのたび僕は『あー嫌だなぁ』って不快に思うんだけど、この映画の男はあんまり怒らない。「ピエロ、ピエロ」と言われても訂正するだけで怒らない。悪く言えば実は聞いてなさそうだったりもするけど暴力は振るわない。彼女を立てたりもする。1965年の段階で。この辺は西洋の方がレディファーストみたいな感覚が強いのかなと思って素敵に感じた。頭の悪い連中(国)ほど男尊女卑で貧乏暮らししてんじゃないのか。

感覚で語られる話や互いの独白みたいなものは、高尚そうにも見えるが、実際どれくらい意味があるのかは僕にはよくわからない。若ければその意味をもっと知ろうとしたかもしれないが、オッサンだからか、なんかまぁいいやって感じで。でもそういう点などから独特の雰囲気は放出されまくっていた。

以下ネタバレあり。

ただ、こういう感じだと早晩行き詰るのではと思っていたが、やっぱりみんな死んだ。too young to die.若者だと死もおしゃれ。海や田舎の風景、そこで躍動する二人の姿、そういった映像がきれいでした。

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